ご本尊の阿弥陀様は台座より光背最上部までおよそ100cm、観音さま、勢至さまはおよそ60cm。さほど大きな仏様ではありませんが、三尊とも、その凛とした端正なお顔立ち等からさぞ名のある仏師の作かと思われますが、残念ながら二度の大きな火災によって資料等は消失し詳細は不詳となっております。
唯一、寛文十一年(1671/江戸中期)に、浄土寺が背後の十王堂山上よりこの地へ遷座した際に、新たに三尊仏の本尊として祀られたと伝えられており、そのことから、およそ340年ほど前に作られた仏さまではなかろうかと思われます。
また当地へ遷座するまでの旧ご本尊は、一尊仏として脇檀に奉安させていただいております。こちらもふくよかなお顔立ちと衆生済度の慈しみを込めた眼差しが印象的な秀逸な仏様で、浄土寺が創建されたいきさつなどからもその出自が伺える、ありがたい阿弥陀様です。
お釈迦様がお亡くなりになられる時、お弟子様方やあまたの菩薩様、その他生きとし生けるもの全てが嘆き悲しみ集まった様子を絵にしたものが「釈迦涅槃図」です。
浄土寺に伝わるこの涅槃図は、こちらも出自の詳細は残っておりませんが、描かれた人物の表情もリアルで、その悲しみの深さが伝わってくる秀逸なものとなっております。
※当寺では毎年2月11日~2月15日の5日間、涅槃会を催し、この涅槃図も本堂にてご拝観いただけます。是非ご参拝ください。(自由参拝ですが、お越しになる際にはご一報いただけますと幸いです。)
※その他の什物につきましては、今後、順次ご紹介させていただく予定でおります。